大学の奨学金適格認定、落ちるかもな

落ちたら入学金授業料免除も取り消しになるし、認定結果あまりにも酷かったら今までの奨学金返済しなくちゃならない、けっこうな額の借金抱えることになるみたい、本当の本当に最悪の場合だけど

たいていの場合その最悪の事態は起きないのだけれど、でもそういう道に別れる可能性のあるレール上にいるんだと思った途端今の環境恐ろしくて仕方なくなった

そもそもなんで、こんなにお金もらってこんなに部屋をごちゃごちゃさせてまともに学校行けないで単位落として、それでいて生活できているんだろう 無責任で狡賢くて卑しくてなんか、なんか、耐えられない、自分が気持ち悪すぎる

私なんてこんなに恵まれるべきではない、もっと苦労してその日暮らしで生きていないと割に合わない、もっとがんばって切実な思いで日々生きている人たちに本当に申し訳ない、でも無関係の私が死んだってお詫びにならないんだから生き地獄だね

うわー

わたしがこんなんだったら、みんな悲しむんだよね、未来の孫のためにって一生懸命定年まで働いてくれたおじいちゃんやおばあちゃんの貯金とか、両親の資産とか、信頼とか期待とか希望とか愛情とか思い出とか苦労とか全部全部ぜーんぶ、私の振る舞い一つで台無しにしてしまうんだね

こんな地雷みたいな体、人間、いない方が平和じゃないのかな

そうやって自分を大事にしないことで、義務とか責任から逃れようとしてる

血のつながった人々のこと、私の生育に関わった全ての人、本当にかけがえなく愛している

でも大人になった今、責任だとか義務の自覚を迫られる今、身内に会うたび心臓の根っこが抉られるみたいに苦しくなる

教員になってほしいんだって。社会貢献してほしいんだって、たくさんの不幸な人々を救ってほしいんだって。

そんな、口だけで言われても、もう応えきれないよ

涙が出てくる 私の心の祝福はどこにもない 私の器しか見てもらえない

おもたすぎる、運命が強すぎる

私もうがんばったんじゃないのかな

がんばれ、がんばれっていつまでもみんな新しい顔で微笑みかける

もう十分がんばったから、もういいよって、言われるには20年はあまりにも短いんだね

なんだか全部順風満帆に流れて生きてこれたみたいな過信がつよすぎて、深い夜の海の底で私だけが足をもつれさせて溺れているみたい

でもある側面では、私はやっぱり全然順風満帆で、もっと苦しい思いしている人はあり得ないほどに大勢いるんだって、それもわかってる

わかってるけど、わかってるけど、苦しみは人間それぞれで、そこに浅い深いとか軽い重いとか、ないんじゃないのかな

私、苦しいって、しんどいって話してくれた人たちに順位つけたことないよ

たとえそれが恋心でも体のコンプレックスでも病気でも虐待でも自尊心でも五月病でも希死念慮でもよくわからないぼんやりとした虚無でもそんな風に名前のつけられる何かでなくても、他の何かと比べたことないよ

なのになんでみんなはすぐ順位つけるの

私にも、私の大切な人たちにも、順位をつけないでよ

そんな風に思うのはわがままかな

人の苦しみなんて比べるものじゃないよ、人の死も、たんじょうも、比べるものじゃない

全て絶対的に等しく尊くて切実でかなしくて、大切なことだよ

この思いを守れなかったら死んだっていい、それくらい大事にしている。でも、けっこう身近で、けっこう簡単に、人の苦しみは日常的に比べられている

けっきょく私もね、他と比べたらあなたなんて大したことないんだからまだ頑張りなさいって、言われるのが怖すぎて、後付けみたいに人の苦しみの等しさを説きはじめただけなのかもしれない たとえ今は本気でそう思っていても、愚かだね

だからこんな気持ちも紛いもの 倫理でも正義でも美学でもなんでもない

もう、諦めるしかないんだ何もかも