ようやく羽を下ろせるのかもしれない とふと思う

でもね、人と人とは絶え間なくそばに居ればいっしょに変わってゆけるけど、離れ離れだとその時間の流れ方はちぐはぐになってしまう

それがこわい いま大丈夫だと信じたものを、どちらかが先に手放してしまうかもしれない それが相手だとかなしいし、じぶんだともっとかなしい

羽を下ろしてもなお謙虚に、昼間は一人で空を飛び夜にだけ戻ってくる

そんな風に己を律していられたならいいのに、わたしは愚かな人だから、これでいいんだと思ったらとことんそのままでずぶずぶ沈んでしまう

怯えているんだな しあわせに怯えてしまって、自ら暗闇の中で逃避行を続けている

繋がれた手の温もりを感じるとき、その手と手が外的要因以外のなにかで引き離されてしまうことを、ひどく寂しいと思ってしまう あの、ぎゅっと包まれた体温が、解かれていく指と共にこの広い世界へ散っていくときの風 わたしあれが、すごくさみしくて、考えるだけで泣きそうになってしまう

すきなひとに同化してしまいたい このこころと命なんてさして価値もないかもしれないけれど、それでもすべてを捧げるから

そう思うよ 本気だけど、本気じゃない

私は大人なので本音はひとりで終わらせる

ただ、さみしいよね ふと、いろいろ考えてしまう