あなたはろうそくのような人だと、薄暗い夜道の上である人に言われました。足早な春の夜。とてもぎこちなく大切にしようとしながら、過ごした夜は温かかった。

赤いワインを飲みながら、唇の黒ずんでいくのを感じています。安心で、きれいな夜を思い出しながら飲むお酒はとても熱くて美味しい。とても耽美な思い出です。とても、絵画のような思い出です。

恋なんてもうしない。その確信が強くなればなるほど、誰とも安心して居られるような気がします。わたしは人がとてもすきです、それが人間愛であり続けることを祈りながら、今日も人をすきで居ます。すきなまま、また別の誰かのところへふらふらと旅立ちます。次に会う子に触れる日をやんわり心待ちにしながら、ぼんやり記憶の余韻に浸りながら、こんなようにわたしはいつまでも独りを守り続けます。

独りで居続けることが、すきな人たちとずっと繋がって居られる唯一の方法のように思えます。それ以外にはないのです。だれかと永遠を約束しようと思ってしまったら、ふと安心に任せて羽根を休めてしまおうとしたら、きっと全てがおわってしまう。

泣きながら羽ばたく夜に赤を飲む つぎの港であの子に会える